ウィローミアの十の仮面:カラスの取引

二度目の夏、ウィローミアに戻ったキャルを待っていたのは、干上がった井戸と、窓辺で取引を持ちかけてくるカラスと、森の地下に隠された広間だった。そこでは失われた仮面が百六年ものあいだ、暗闇に立ちつづける誰かによって守られていた。

キャラン・ドイルがアイビーおばあちゃんの農家に戻ってちょうど一時間、彼はもう屋根裏部屋へのはしごを登っていた。そして今回は、誰も怒鳴らなかった。

ウィローミアの森が灰色になったあの夏から、まるまる一年が過ぎていた。木々はまた緑になっていた。自慢しているみたいに見えるほど、濃い緑だ。屋根裏の丸い窓から、キャルは斜面の全部を見渡せた。おばあちゃんの菜園、柵、村の屋根、そして森のきわにコーヴィン・アッシュグレイヴが植えた若いヤナギのきちんとした列。コーヴィンはそれを自分の子どものように世話していた。キャルは十二歳になった。そして正式に、ウィローミアの見習い管理人だった。といっても今までは、ほとんど雑用と勉強と、アイビーおばあちゃんの「もう一回、今度はもっとゆっくり」ばかりだった。

「三段目はまだ噛みつくよ」台所からおばあちゃんが声をかけた。彼がどこへ行ったか完全に分かっていることを、隠そうともしていない。

「覚えてる」キャルは返事をして、にやりとした。本当に覚えていたからだ。人生で最高の夏だったな、と彼は思った。森をほとんど終わらせかけた夏について考えるには、ずいぶん変な考えだ。さて。今年の夏が何を求めてるのか、見てやろう。